読み応えのある1冊でした。

恋愛の格差 (幻冬舎文庫)恋愛の格差 (幻冬舎文庫)
(2004/06)
村上 龍

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タイトルから恋愛エッセイだと思ってました。いやいや、この本、恋愛のカテゴリーを超越してます!経済や政治や社会、生きていく上での根底について書かれてます。

いつもの通り、書き出しをご紹介します。

 

 この人と結婚したいという男に巡り会いたいとは思うけど、とにかくどうしても結婚したいという風には思わない、ある若い女友達はそう言った。今の女性の結婚観をよく表した言葉だと思う。
 もしわたしに適齢期の娘がいて彼女に恋人がいたら、結婚して欲しいと思うだろうか。結婚さえしてくれればいいと思わないだろう。法的に籍を入れたからといって何かが保証されるわけではないからだ。わたしが適齢期の娘の親だとしたら、わたしは安心のために何を望むだろうか。彼女に必要なものは何だろうか。



「結婚とは?」

ここからエッセイはスタートします。突き詰めていくと社会の格差が見えてくる。
じゃあその格差って何?どうして格差が生まれたのか。どうして格差が存在するのか。これまた突き詰めていくと日本の社会の問題点が浮き上がって来る。すると「結婚とは?」という最初の問題の大きさがわかってくる。

ところで韓国女性は、キッパリと金と地位と家柄を選びます。愛はあとからくっついてくるそうです。
でも、結婚生活に不満を抱いている人が多いのはなぜ?離婚率がアメリカを上回りそうなのはなぜ?
この本を読んで、韓国社会を見る上でのヒントを得たような気がしました。

村上さんの本を読むのは本当に久しぶりでした。実はこの本、ソウルに遊びに来てくれた友から頂きました。村上さんの初期の小説は何冊か読んだことがあります。でもエッセイは初めて。

日韓ワールドカップがあった頃に書かれた本です。社会派エッセイとして読むなら、好き嫌いの思いっきりわかれる1冊かと思います。でも私はこういう見方も大切じゃないかな、と思いました。恋愛と社会の関係を説いてくれるオジサマなんて、いないでしょ?しかも会社員のような枠組み内からの意見じゃないのもおもしろい。

この本を読んでからムギさんの『インディペンデントな生き方 実践ガイド(新インディ)』を読むといいかも。うまくバランスが取れるような気がします。

ところで、この本をくれた友は鹿のような目をしてまして、話す言葉はポップながらも非常に哲学的。
そんな友からの本だったので、とても意味を感じながら読むことができました。

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