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2008.05.25
古き良きミラノ
2008年5月25日 ブログ240日目。
押し麦でリゾットを作りながらのUPでございます。
昨日は引越しがらみでどっと疲れてしまいました。でも、どうにかイロイロな事が決まりそうなので安心です。外国での引越しって、結構面倒だったりします。改めて日本のシステムの優秀さにありがたみを感じる瞬間です。
ところで、リゾットを作っているのは他でもありません。
とうとう、この本を読み終えてしまいました。
納められているお話は、『ミラノ 霧の風景』と『コルシア書店の仲間たち』と『旅のあいまに』の3冊。
各10程度のエッセイが収められています。
須賀さんの執筆活動は、晩年の10年余りに一気に書き起こされています。何十年も経てから書かれたイタリアの思い出です。登場人物や街並みまでもが生き生きとしているので、つい見聞きする現代のイタリアの姿を想像してしまいます。でも、その登場人物の多く、そして著者の須賀さんご自身も、今ではすでに他界されており、時折出てくる戦争の話などに「過去」が浮き出てくるのです。
全てのエッセイは須賀さんの日記とも思えるような回顧録です。読後はまるで、「昔、10年くらいイタリアに住んでた事があってね。」と著者から直接お話を聞いたかのようなリアリティがあります。それは独特のリズムのせいかもしれません。またエッセイの中の登場人物が、何度もいろいろなところで登場してくるからかもしれません。どんどん愛着が湧いてくるのが不思議です。そして、どのエッセイにも登場するのが、時に「コルシア書店の店員」、時に「ベッピーノ」、そして時に「夫」として顔を出すジュゼッペ・リッカ氏。須賀さんのイタリアの全てとも言える人の存在です。残念ながら、ベッピーノと須賀さんの結婚生活は5年と短いものでした。ベッピーノが他界してからも、須賀さんは数年をイタリアで暮らします。
私事ですが、私も今年結婚5年目。なんとも切ない気持ちになりました。なかなか読み進められなかった理由はここにあります。3つくらいエッセイを読むと、もう胸がいっぱいになってしまうのです。各エッセイはまた書き出しが見事なので、つい流れで次々読みたくなるのですが、やっぱり途中で切なさが現れて、ただのエッセイから小説のような深みを与えてくれます。
美しい日本語を読みたいと思い手にした1冊でした。
日本語の豊かさを感じたい方に是非おススメしたい作品です。
須賀さんの作品には古き良きミラノがあります。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。皆さんに幸せあれ!
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昨日は引越しがらみでどっと疲れてしまいました。でも、どうにかイロイロな事が決まりそうなので安心です。外国での引越しって、結構面倒だったりします。改めて日本のシステムの優秀さにありがたみを感じる瞬間です。
ところで、リゾットを作っているのは他でもありません。
とうとう、この本を読み終えてしまいました。
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納められているお話は、『ミラノ 霧の風景』と『コルシア書店の仲間たち』と『旅のあいまに』の3冊。
各10程度のエッセイが収められています。
須賀さんの執筆活動は、晩年の10年余りに一気に書き起こされています。何十年も経てから書かれたイタリアの思い出です。登場人物や街並みまでもが生き生きとしているので、つい見聞きする現代のイタリアの姿を想像してしまいます。でも、その登場人物の多く、そして著者の須賀さんご自身も、今ではすでに他界されており、時折出てくる戦争の話などに「過去」が浮き出てくるのです。
全てのエッセイは須賀さんの日記とも思えるような回顧録です。読後はまるで、「昔、10年くらいイタリアに住んでた事があってね。」と著者から直接お話を聞いたかのようなリアリティがあります。それは独特のリズムのせいかもしれません。またエッセイの中の登場人物が、何度もいろいろなところで登場してくるからかもしれません。どんどん愛着が湧いてくるのが不思議です。そして、どのエッセイにも登場するのが、時に「コルシア書店の店員」、時に「ベッピーノ」、そして時に「夫」として顔を出すジュゼッペ・リッカ氏。須賀さんのイタリアの全てとも言える人の存在です。残念ながら、ベッピーノと須賀さんの結婚生活は5年と短いものでした。ベッピーノが他界してからも、須賀さんは数年をイタリアで暮らします。
私事ですが、私も今年結婚5年目。なんとも切ない気持ちになりました。なかなか読み進められなかった理由はここにあります。3つくらいエッセイを読むと、もう胸がいっぱいになってしまうのです。各エッセイはまた書き出しが見事なので、つい流れで次々読みたくなるのですが、やっぱり途中で切なさが現れて、ただのエッセイから小説のような深みを与えてくれます。
美しい日本語を読みたいと思い手にした1冊でした。
日本語の豊かさを感じたい方に是非おススメしたい作品です。
須賀さんの作品には古き良きミラノがあります。
乾燥した東京の冬には一年に一度あるかないかだけれど、ほんとうにまれに霧が出ることがある。夜、仕事を終えて外に出たときに、霧がかかっていると、あ、この匂いは知っている、と思う。十年以上暮らしたミラノの風物でなにがいちばんなつかしいかと聞かれたら、私は即座に「霧」とこたえるだろう。ところが、最近の様子を聞くと、この霧がだんだん姿を消しはじめたようである。ミラノの住人たちは、だれもはっきりした理由がわからないままに、ずっと昔から民謡やポップスに歌われてきた霧が、どうしたことか、ここ数年はめずらしくなったという。暖房に重油をつかわなくなったからだと言う人もいる。そうだろうか。あんな霧、なくなったほうがいいですよ、とミラノに住んでいた日本人は言うが、古くからのミラノ人は、なんとなく淋しく思っている。
『ミラノ 霧の風景』より 「遠い霧のにおい」
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